概要・沿革 - 公益社団法人 化学工学会 超臨界流体部会

概要・沿革

超臨界流体の定義で最も一般的なものは,「臨界温度以上で高密度に圧縮された非凝縮性流体」でしょう。

その本質な特徴は,臨界温度を超えているため分子の熱運動が激しいこと,温度・圧力を操作因子として,密度を理想気体に近い希薄な状態から液体に相当する高密度な状態まで連続的に変化させ得るため,密度の関数として表せる多くの平衡・輸送物性の制御が可能なことにあります。

したがって,圧力を変えてもあまり密度が変化しない通常の液体に比べ,超臨界流体は圧力も新たな自由度として利用できる革新的溶媒といえます。

ところで,日本の超臨界流体に関する研究は,超臨界ガス抽出に始まったこともあり,化学工学会の学会・集会を中心して研究報告がなされてきました。

その主要メンバーが,中心となって「超臨界流体高度利用研究会」が昭和62年に発足し,平成2年には特別研究会に承認され,学会・セミナー・シンポジウムなどを通して本分野の研究・情報交換の中核として活動してきました。

この間,プロセスの実用例が見られる一方,基礎研究でも超臨界流体のユニークな物性が学術観点から活発に研究されるようになり,我国の超臨界流体研究・技術は世界的にも高い評価を受けることとなったと認識できます。

超臨界流体部会は,上述の特別研究会での10年間の活動をさらに発展させ,国内外に対する化学工学会の超臨界流体に関する専門研究グループとして,かつ積極的な他の学協会(化学工学会会員外)との連携を目指して平成13年3月1日に設立されました。